◆地域日本語支援ニュース こだま229号◆
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◆◇■◇■◇■◇■◇◆◇■◇■◇■◇■◇◆◇■◇■◇■◇■◇◆◇■◇ 地域日本語支援ニュース こだま 第229号 2013.2.28 ◆◇■◇■◇■◇■◇◆◇■◇■◇■◇■◇◆◇■◇■◇■◇■◇◆◇■◇ //AJALTのホームページがリニューアルされて読みやすくなりました。// http://www.ajalt.org/ ★―― メールマガジンのご購読ありがとうございます。 【地域日本語支援ニュース こだま】は、日本語教育に関する事業を全国で 行っている公益社団法人国際日本語普及協会(AJALT)発行のメールマガジン です。各地域で在住外国人に対する日本語・生活支援に携わっている方々 に役立つ情報の共有を目指していきます。――★ ================================== ■外国人の声■ 感 謝 ~ 私は、もう一人ではありません ~ トラン フィ ハン --------------------------------------------------------------------- ベトナム難民として15年前に来日し、大和定住促進センターで日本語を 学び、そして日本で出産。ベトナム人のご主人と一人娘の子育てをしながら 働いてきた一人の女性トランフィハンさんが、想いを日本語で綴ってくださ いました。 日本で懸命に生きてきたハンさんは、2013年1月から正職員として、 ヘルパー2級の資格を生かして新しい仕事につきました。 これからの一家の幸せを祈って、皆様にご紹介します ★☆★☆★☆★☆★ ◆悔しくて辛くて◆ 私は、子供ができた時に仕事をやめて、3年後仕事をまたしましたが、思い 通りになりませんでした。悩んだ末に日本語の勉強をもう一度やり直すことに しました。日本語能力試験の2級を高い点数で合格しました。そして、通訳と して、ベトナムの人の付き添い、病院や市役所などに行く仕事をしました。し かし、経験の浅い私にはとても苦労でした。通勤電車の中でも、寝られない夜 でも、ずっと勉強しましたが、勉強しなければならないと思えば思うほど、ま すます集中力も記憶力も低下してしまいました。体調を崩し、悔しくて辛くて、 とうとう、うつ病になってしまいました。 「自殺したいと思ったことがありますか。」医師から聞かれ、 「いいえ、子供がいるから、思いません。」と答えました。 本当にそう思いましたが、最低の母親でした。子供をよく叱ったり、何度も叩 いたりしたこともあります。 ◆障害者支援施設で働く◆ その生活は3年続きました。そして、障害者支援施設で掃除の仕事をし始めま した。応募した理由は前の仕事ができないから、この仕事なら自分なりにふさ わしいと思いました。気持ちはまだ波がありますが、毎日職員をはじめ、利用 者からの笑顔とあたたかい言葉で元気をいただき、仕事をがんばってしていま した。 ある日、若い利用者の親子が散歩しているのを見ました。二人の笑顔はとても すてきで感動しました。私は今まで子供にひどいことをしていて、反省の気持ち でいっぱいになりました。涙がこぼれました。仕事がおわって、まっすぐ家に 帰って、娘をだきしめ、「ごめんね、、」何回も言いました。 ところで、娘が私の仕事についてどう受け入れるか、ずっと気になっていまし た。それで、施設のお祭りに連れて行きました。そして、悩んだことを一人の 年配の職員と相談し、彼が娘といろいろ話しました。 「ママ、ここで仕事して幸せですね。」 帰る前に娘はそう言いました。私は感激しました。それで、私も介護士になって 体の不自由な人などを手伝おうと思って、一人の責任者に頼み、ホームヘルパー 2級講座の勉強をしました。 ◆ホームヘルパー2級に合格◆ 一方、日本語のボランティアの先生方は、私にとって大きな存在です。先生方 のおかげで、日本語を皮切りにして、日本の文化や日本人の習慣などが少しずつ 分かるようになりました。子育てをしながら仕事もしていますので、夜の教室に は行けなくなりましたが、やまとセンター友の会にはまだ娘と一緒に行っていま す。 その教室の先生方は、大和定住促進センターの日本語の先生でした。15年前、 センターは閉所しました。その後も生徒の私たちのため、ボランティアとして 15年間続けて教えていただいています。ホームヘルパー2級の勉強も、施設の職 員とともに、私の力になって、おかげで無事に合格できました。 それだけではなく、私の不安や心配や悩みなどを聞いたり、なぐさめたり、ア ドバイスしたりしていただきます。私のことばかりでなく、娘のことも支えたり、 教えたりしていただきます。先生方のおかげで、私の体も心も、元気になりまし た。そして、今月(一月)介護の仕事をはじめます。 ◆心の中にいつまでも◆ もし、やまとセンター友の会がなかったら、そして、障害者支援施設の皆と 出会わなかったら、今の私はどうなるでしょう。きっと、完全にだめ人間になっ てたでしょう。皆の笑顔、優しさ、親切さを心の中にいつまでもきざんでいます。 今度は私の番です。職員として年配の方々をお手伝いさせていただきます。 人の命を預かる仕事なので、決して簡単ではありませんが、精一杯がんばろうと 思います。私は、もう一人ではありません。先生方も、これからの職場のなかま もいますから。 ==================================== ● 当協会AJALTでは、地域の日本語支援者の方々からの日本語教育相談を 常時受け付け、個別に回答しております。ご質問、ご相談等ございまし たら、いつでもご連絡下さい。 日本語教育相談窓口:sodan-ajalt@ajalt.or.jp ● 『こだま』のバックナンバーはこちらから http://archive.mag2.com/0000111241/index.html ● AJALTの『リソース型生活日本語』は、下記のホームページで会員登録 をしていただくと、ご覧いただけます。中国語他、10カ国語の多言語 目次もダウンロードできます。是非ご活用ください。 http://www.ajalt.org/resource/ それでは次号もお楽しみに。次号は3月14日(木)配信予定です。 =================================== 公益社団法人 国際日本語普及協会(AJALT) メールマガジン【こだま】編集部: sodan-ajalt@ajalt.or.jp AJALTホームページ: http://www.ajalt.org/ =================================== このメールマガジンは「まぐまぐ」から発行しております。 変更・解除は下記よりお願いします。 http://www.mag2.com/m/0000111241.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━