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【出たっきり邦人 欧州編】1187 イタリア

【出たっきり邦人 欧州編】1187 イタリア

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■□■□■ 出たっきり邦人・欧州編・2013・06・04・1187 ■□■□
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◇◆乙編◇◆ 

〓イタリア・ヴェネツィア発〓
水、ゆらりゆらり
 
その68 ヴェネツィアで、社交界


世界の大観光地ヴェネツィアでは年に何度か、世界の大社交界が繰り広げられ
ています。
毎年8月末から9月初めにかけて行なわれる映画祭がその1つ。映画祭の期間
中、上映される映画の、監督やスターたちが続々とレッドカーペットに登場し、
公式上映に立ち会うだけでなく、そんな彼らを招いて、あちこちでプライヴェ
ートのセレモニーやらパーティーやらが開かれるので、一流レストランやイベ
ント会場、ケータリング・サーヴィスは大忙し。そしてたくさんのミーハーや
パパラッチから彼らを遮断する、水上タクシーもまた満員御礼空車ゼロ、な状
態となります。

ほぼ同じことが起きるのが、ビエンナーレのオープニング前。このヴェネツィ
ア・ビエンナーレとは、隔年で行なわれる国際現代美術展のことで、奇数年の
6月から11月にかけて、ヴェネツィア市内の主会場2つのほか、町の中のいろ
いろな建物や場所を使ってさまざまな美術展示が行なわれます。今年はちょう
ど先週の土曜日、6月1日に開幕したばかりです。
ビエンナーレについては、ずいぶん前ですがこのメルマガで紹介していますし
(http://www.geocities.jp/detaeurope/bnmoeca02.html)
今年の詳細については、またブログで追々ご案内していく予定なのでここでは
割愛するとして、今回は、なぜアートにセレヴ?というところの種明かしをし
ましょう。

世界的な不況が続く中、ファッションはイタリアの主要産業の1つであること
は変わりありません。
かつて日本では重厚長大メーカーや大財閥、そしてバブル時代には金融機関が、
その余剰資金を美術品の購入に充てたりしたのと同様に、今、イタリアで辛う
じて文化活動に資金を投じる余裕があるのはファッション業界のみです。
例えば、靴など皮革製品の高級ブランド、トッズがローマのコロッセオの修復
費用の一部を負担することが(いろいろすったもんだの末)決まったのを筆頭
に、どこも、歴史的遺産の修復などには積極的です。もちろん、その莫大な広
告宣伝効果を狙ってのことでしょう。
また、グッチやフェラガモなど、自社の歴史を保存、公開するための美術館を
持っているほか、プラダやトラサルディなどなど文化活動のための財団を設立
して、そこで自社にとどまらない、美術品を保有するところもあります。
その筆頭が、なんといってもフランソワ・ピノー財団。イタリアではなく、フ
ランスの組織ですが、代表のフランソワ・ピノー氏は、ファッション界を分け
る3大グループの1つで グッチやイヴサンローラン、ボッテガヴェネタなどを
傘下に持つ、 PPR社の元会長。そのピノー氏は、もともと現代美術のコレクタ
ーであることで知られていましたが、2007年にヴェネツィアでパラッツォ・グ
ラッシ、2009年にプンタ・デッラ・ドガーナとそれぞれ歴史的建造物の権利を
得て、安藤忠雄氏の設計によりそれぞれ、現代アートの企画展会場としてよみ
がえらせました。とくに、元・税関で三角形の建物という特殊性に、安藤忠雄
氏らしさがよく出ているプンタ・デッラ・ドガーナは、ヴェネツィアの新しい
名所として既に定着しつつあります。

ヴェネツィア市内の美術館はどこも、ビエンナーレの開幕に合わせて新しい展
覧会を開きます。プンタ・デッラ・ドガーナもその1つなのですが、そのオー
プニング・パーティーとして、そんなセレヴたちが招かれるというわけです。
なにしろファッション界の大御所ですから、ハリウッド・セレヴたちはみんな
お友だち。
今年はナオミ・キャンベル、レオナルド・デカプリオがきたとか。
プンタ・デッラ・ドガーナはサン・マルコ方向を見渡す絶好の見晴らしのテラ
スがあり、(通常は立ち入り禁止)脇にたくさん、ヨットが停められる立地に
も恵まれています。そう、この時期の特徴として、停泊中の豪華ヨットの数も
あげられるでしょう。 中には、もちろん船上パーティーもあります。 という
のも、そういったパーティーはピノー氏のところだけではありません。各団体
がこぞって趣向をこらし、セレヴを呼んで話題を集めます。

一庶民としては実際は、そんな華やかなセレヴたちのお顔をちらっと、TVニュ
ースや新聞で拝見するだけです。VIP中のVIPである彼らは、間違ってもヴェ
ネツィアの町の中をふらふらと散歩したりはしていません。
ただ、レストランやホテル、水上タクシー、あるいは警備会社などで仕事をし
ていれば、そんなVIPを間近で見る機会がないとは言えません。その高揚感、
期待感が、ヴェネツィアで働く多くの人々の原動力となっているのかもしれま
せん。

ではまた。

日々の様子については、随時ブログでご紹介しています。

萌香

ご意見、ご感想をお待ちしております。
moeca-ve@hotmail.com
ブログ:http://fumiemve.exblog.jp/

◆次回は6月7日(金)オランダ、アイントホーフェン郊外から配信
予定です◇◆   
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【北米・オセアニア編】【中南米・アフリカ編】【アジア編】  
          【出戻りExtra】もよろしくね  
 
     ◇◇◇詳細は下記のHPで◇◇◇      
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各種問い合わせ先:detahou@hotmail.com  
 
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電子出版 :出たっきり邦人【欧州編】  
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発行責任者:欧州編ライター一同 連絡先:oushuhen@hotmail.com  
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