【出たっきり邦人 欧州編】1186 ドイツ
【出たっきり邦人 欧州編】1186 ドイツ
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ □■□■□ □■□■□ ■□■□■ 出たっきり邦人・欧州編・2013・5・28・1186 ■□■□■ □■□■□ □■□■□ ∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵ ◇◆乙編◇◆ 〓ドイツ・デュッセルドルフ発〓 <ビールだけがドイツじゃない?> 第50回 頑張れ、マラソン!! 4月15日(月)、ボストンマラソンで発生したテロ事件。6日後の4月21 日(日)に参加を予定していたハンブルグマラソンの練習から帰ってきた 小生が相方から知らされたその一報…。誰がこんなことを、そして小生の 愛するマラソンがどうして狙われたのか…。知らせを聞いた時は頭が混乱 してしまいました。そして、火曜日・水曜日になってもそのモヤモヤした 気持ちは取り払われず、練習にも身が入らない日々。自分には関係ない所 で発生した事件とは言え、心からマラソンを愛するランナーとして、いく つもの思いが頭をよぎります。 そんな中で迎えた本番当日、さすが北ドイツ最大のマラソン大会だけあっ て、1万5-6千人ほどのランナーがスタートに集結しました。スタートに 先立ちボストンマラソンで犠牲になった方への黙とう、その後会場にはNeil Diamondの「Sweet Caroline」という曲が流れました-ボストンを勇気付ける ような心が温まる曲なので、一度聞いてみてください。 そして午前9時にマラソンがスタート。赤いじゅうたんを駆け抜けて一路 ゴールを目指します。天気は快晴、気温は10度くらいで少し涼しい程度、 太陽がまぶし過ぎるのを除けば、マラソンには最適の天気です。数キロ走 ると北ドイツ最大の繁華街であるレーパーバーン。夜には酔った人達 とネオンでにぎやかな場所ですが、日曜の朝9時過ぎということもあり、 もぬけの殻。さすがにこの時間に(まで)酔っている人達は皆無です。 10kmくらいでしょうか、港町ハンブルグらしい港湾地域を走ります。実際 の港は街から少し離れているので船はあまり見えませんが、運河や古い レンガ造りの倉庫街、そして傍を通る列車の高架橋…。公私にわたり何度 となくこの街を訪問していますが、何度見ても飽きません。 15km位でハンブルグ中央駅を通過。ドーム式天井の駅で、アナウンスがそ の天井に響く、幻想的な雰囲気を醸し出す駅。その中をひっきりなしに出 入りする列車と乗客…。小生ドイツのいろいろな駅を見てきましたが、 お気に入りの駅の一つです。 マラソンの話に戻りますが、中央駅前の普段は車しか通れないトンネルを 通過。タッタッタッというランナーの足音だけが響く、不思議な空間を通 過し出口を出ると、次の見所、アルスター湖です。ハンブルグの街の中に は2つの湖(内アルスター湖と外アルスター湖)があり、主に内アルスタ ーは観光地に近いこともあり観光客を乗せた遊覧船などが走っていますし、 外アルスターはハンブルグ市民のヨットやカヌーの為の憩いの場所となっ ています。沿道には日曜朝午前にもかかわらず、大勢の観客が応援して います。 ところで、気づくと目の前にはハンドバイク(=手漕ぎ自転車とでも言う のでしょうか)のランナーがいました。午前9時スタートのマラソンより 10分早くスタートしたハンドバイカーの最後尾の人でしょうか。平地では 小生の方が速く、少しでも下りになるとバイカーの方が速く(手で漕がな くとも転がっていくので)、勝手に競争してしまいました。実はその時既 に小生疲れ気味だったので、このバイカーと競争することで失速を少しで も防げました。助かった…。 ところでマラソンは20kmに差し掛かります。進行方向右手には、ハンブル グ在住の友人夫妻が見えました。彼らとは前日に打ち合わせをして、その 打ち合わせ時に言っていた場所でしっかり待っていてくれたのです-これ も走る力になります。 その後しばらくは外アルスター湖の東側に沿って静かな住宅街を北上し、 ハーフ(21km)の地点を予定通りのペースで通過。そうするうちに、住宅街 が少しずつ緑や公園に変わり、走っているのが気持ちいいくらい、と言い たいところなのですが、さすがに20km以上も全力で走るとそんな余裕はな くなります。さらに、日曜の午前中にもかかわらず、天気が良いからなの か、ビールを飲んで宴会もどきの人々や、さらにはバーベキューの煙の匂 いまで…!小生もマラソンを止めて飛び入り参加したいくらい、誘惑の多 い地域に入ってしまいました。 ところで小生、最初のマラソンを始めてからかれこれ7年になるのですが、 ストップウオッチを持たず、自分用のドリンクを身に着けることもなく、 体一つで走っています。本来なら1km毎のタイムを計測してペースをチェ ックし、栄養やスタミナのことを考えて途中で飲むためのドリンクを持っ て走るランナーもいるのでしょうが、あまりいろいろと身に付けると重そ うな気がして、今まで付けていません。ですので、沿道にある給水所が唯 一の栄養補給所、オアシスのようなものです。暖かい時期のマラソンであ れば2-2,5kmおきに1箇所、冬のマラソンであれば5kmに1箇所給水所があ り、そこでドリンクを飲むたびに次のオアシスまで頑張ろうと言う気にな ります。 しかしドイツのマラソンではコーラが出てくるんです。ランナーにとって このコーラ(炭酸) は魅力的なものでもあり、かつ大敵でもあり-炭酸を 飲むと一瞬スッキリするのですが(特に疲れ果てている体には) 、その後 は走れなくなります(食道や胃の中で炭酸がダンス!します)。そして今 回のハンブルグマラソンでもありました、コーラ!いかにしてコーラを取 らないようにするか、自分との戦いです。 前半早く走り過ぎたのか、後半どんどん他のランナーに追い抜かれつつ、 35,36km…。ハンブルグ郊外から再度市内の方向へ走り続けます。閑静な住 宅街を通過しているうちに、左側にイラクの総領事館を発見。それと同時 に前述の友人夫妻がまた居ました!再度予定通りの場所で待っていてくれ ました、ありがとう!また今度ゆっくり話そう、とだけ言い先へ急ぎます。 あとはゴールを目指し39,40km…。コースの先にはゴールとなるハンブルグ アリーナに隣接しているテレビ塔が見えてきました。やっと、やっとゴー ルです。 40km地点の電光掲示板を見ると、過去最高のペースで到達です。自己記録 を更新することは確実なので、あとは何分縮められるかということだけを 考え、重くなった足にムチを打ち、走り続けます。しかし小生の後半の失 速ぶりは顕著で、多くの人に後半抜かれてしまいました-今後の課題です。 そしてコースを右に曲がるとスタート地点と同じ所にあるゴールが見え、 スタート時に通った赤いじゅうたんを再度駆け抜けゴール(ゴール付近で 最後まで待っていてくれた相方に大感謝!)。今までの記録を3分更新し、 小生の当面の目標(2014年中に3時間を切る)にまた近づきました。今まで 小生40回以上マラソンに参加しましたが、ハンブルグの人々の応援は温か かった…。同時に、小生と同じようにゴールした人達を標的にしたボスト ンの惨状に対して、本当に言葉がありません。小生、何があってもテロに は屈しませんし、マラソンを走り続けます。 私事ですが、今年2013年は全部で10回以上のマラソンを予定していて、 このハンブルグマラソンは4回目です。次は6月に2回なのですが、 それぞれ夜の6時とか7時のスタート(夏のヨーロッパは夜10時になって もまだ薄暗い)、と午前中にスタートするマラソンとはまた異なります が、これからも記録更新を目指して練習に励みたいと思います。 皆さんもぜひ体を動かしてみて下さい-ウオーキングでもジョギングでも いいのです、体を動かすことで日ごろのストレスやモヤモヤした気持ちが なくなり、そして、足の裏を刺激することでいつもは思い浮かばないアイ デアとか解決方法も見つかること、間違いありません。 Pride Berliner ご意見・ご感想をお寄せ下さい。 pride-berliner2007 hotmail.co.jp (2007とhotmailの間に@を入れてお送り下さい) ◇◆次回は6月4日(火)イタリア/ベネチアからの配信予定です◇◆ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 【北米・オセアニア編】【中南米・アフリカ編】【アジア編】 【出戻り邦人】もよろしくね ◇◇◇詳細は下記のHPで◇◇◇ http://www.geocities.jp/detahome/ 各種問い合わせ先:oushuhen@hotmail.com ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 電子出版 :出たっきり邦人【欧州編】 <まぐまぐID:0000023690> 発行協力 :まぐまぐ http://www.mag2.com/ 発行責任者:欧州編ライター一同 連絡先:oushuhen@hotmail.com H P :http://www.geocities.jp/detahome/ BBS :http://www.geocities.jp/detahome/ 登録・解除:http://www.geocities.jp/detahome/ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥