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【海江田万里の政経ダイアリー】2013.4.5号 黒田緩和の危うさ

【海江田万里の政経ダイアリー】2013.4.5号 黒田緩和の危うさ

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【海江田万里の政経ダイアリー】2013.4.5号 黒田緩和の危うさ

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☆ 黒田緩和の危うさ ☆

●日銀の黒田総裁が、4日の金融政策決定会合で行った、新たな
「量的・質的金融緩和」(黒田緩和)により5日の株式市場と債券
市場が湧いている。東京株式市場は、一時600円近く上昇し、
出来高は64億円を突破した。東京債券市場では、新発10年物国
債の利回りが0・3%台に低下した。国債の利回り低下は、つまり
買い注文が殺到したということだ。
 
●黒田総裁は、記者会見で「現時点で株・債券ともバブルの状況に
なっているとは思っておらず、直ちにバブルが生じるとは思ってい
ない」と発言している。この発言は要注意だ。私自身、かつて新聞
記者に「代表選挙に出馬するかどうか」としつこく聞かれて、
「現在は全く考えていない」と答えたことがある。実は、心の中で
はすでに代表選出馬を決めていたのを「現在は・・・」と言って、
将来の変更を匂わせたわけだ。一般の人は「全く考えていない」の
方に注目してしまって、「現在は」の句に注意が向かなくなる。
5日の発言で、黒田総裁が「現時点で」と表現をしたことを私は、
注目したい。
 
●黒田総裁の心中を忖度すると「将来、株・債券はバブルの状況に
なる可能性がある。しかし、現時点では大丈夫だ。」こう言いたか
ったに違いない。  アベノミクスの第1の矢、「大胆な金融緩和」
のリスクは、株と債券、とりわけ国債のバブルが大きく膨らみ、
そしてバブルが弾けることだ。株価は、かつて3万8915円の最
高値を記録したことがあるから、現在の水準はまだ当時の半分にも
届いていない。一方、10年物国債の3%台の利回りというのは、
もちろん過去最低だ。
 
●株のバブル崩壊は、言うまでもなく、経済に大きな影響を与える
が、国債のバブル崩壊、つまり国債の暴落は、経済に取り返しのつ
かない傷を与える。色々な試算があるが、銀行は約200兆円の長
期国債を保有しているというのが大方の理解だ。国債の暴落は、
日本経済の心臓部、金融セクターを直撃する。先のリーマンショッ
クで日本経済はアメリカや欧州諸国ほどの深刻な打撃を受けなかっ
た理由は、金融セクターが比較的安定していたからだ。わが国の国
債の暴落によるダメージは、リーマンショック時のそれとは比べも
のにならない。

●国債バブルは円安と同時進行している。このことが国債の暴落を
早め、しかも深刻化させる。そのメカニズムについて、ここでは触
れないが、黒田日銀総裁は、その点が解っていて、冒頭の発言にな
ったと思う。現在の市場は、薄氷の上で市場参加者が踊っているよ
うなものだ。安倍総理が、そのことに気付いていないことが、日本
の本当の危機だ。


衆議院議員 海江田万里

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