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■Weekly Mail Journal■2013/3/27 No.677

■Weekly Mail Journal■2013/3/27 No.677

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  2013/3/27   No.677   週刊メールジャーナル   読者数9718(前回)
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●後継指名した前社長を蟄居させるキャノン御手洗氏の異様な権力欲
(会員制経済情報誌『現代産業情報』3月15日号より転載)

日本経団連に会長を輩出した“名企業”である『キャノン』が、奇妙なことに
なっているという。

「前社長の内田恒二相談役が、もうかれこれ1年以上も出社していない」(関係
者)というのだ。

内田氏は昨年1月に「自らの強い意向」(キャノン)で社長を退任し、相談役に
退いた。

その後、ろくな仕事を与えられず、事実上の“飼い殺し状態”なのだと指摘さ
れる。

『キャノン』で“天皇”とさえ呼ばれる御手洗冨士夫会長兼社長が、内田氏を
排除しているらしい。

関係者が指摘する。

「権力委譲が失敗した典型的なケースといっていいでしょう。御手洗氏が内田
氏を後継社長に指名しながら、実際には権力を渡さず、名ばかりの社長に祭り
上げた。内田氏はすっかり嫌気がさし、背中を向けた。こういう経緯を社内は
じっと見ています。『キャノン』はおかしくなっていますよ」

御手洗氏は、2006年5月に経団連会長に就任するにあたり、10年間務めた社長ポ
ストを、郷里である大分の佐伯鶴城高校の後輩の内田氏に禅譲した。

「他社に遅れを取った伝統あるカメラ事業を立て直し、大黒柱に仕立て上げた」

社長交代会見で御手洗氏はこう言って内田氏を褒めちぎり、カメラ事業を世界
一にした「実績」と事業経営の「手腕」を後任に選んだ理由に挙げた。

内田氏自身もこの席で、「社業発展のため、全身全霊を投入して貢献したい」
と意欲を示していた。

しかし、関係者によると、御手洗氏は会長に退いてからも、財界活動の傍ら、
東京都大田区の本社で毎朝開かれる役員の情報交換会「朝会」に頻繁に出席。

「内田社長以下役員らに指示を出し、実質的に経営上の指揮を執っていた」
(関係者)という。

代表取締役CEOの看板は名ばかり。社内の誰もが権力の在り処にすり寄っていく。
内田氏が面白いはずがない。

関係者が明かす。

「指揮命令系統が分散し、しかもギクシャクしたことに伴う弊害はすぐに表れ
ました。新規事業の育成に手間取り、『キャノン』の稼ぎ頭である『デジカメ』
『事務機』に次ぐ三本目の収益の柱を探しあぐねたのです。表面電界ディスプ
レー(SED)テレビは量産化に苦戦し、代わりに労力を注いだ医療機器事業も低
迷しました」

関係者は「内田氏の突然の辞任表明は、自らの意思というよりは、業績低迷に
業を煮やした御手洗氏から水面下で迫られたためだ」との見方を示している。

「世代交代を急ぐより、ベテランの力を結集する」

そんなこじ付けの理由を示し、昨年3月に御手洗氏が社長業務に返り咲き、CEO
の看板も奪取したのだから、誰もがそう思って当然であろう。

創業メンバーの1人である故・御手洗毅氏を叔父に持つ御手洗氏は創業者一族。
内田氏の退任は文字通り「大政奉還」であった。

76歳の御手洗氏は、今も海外を飛び回り、毎週末はゴルフを楽しむ。その異様
な若さは驚嘆ものだが、市場は『老害』ぶりに辟易する。

2016年を初年度とする『キャノン』の中期経営計画を控え、市場は「後継者育
成」というレッドカードを御手洗氏につきつけようとしている。そういう圧力
は、裸の王様である御手洗氏には見えていない。



●福井女子中生殺害事件・再審開始取り消し―名古屋高裁決定の驚愕の“検察
盲追決定”(転載同前)

これがここ数年来の無罪・再審頻発の洗礼を受けた刑事司法の、物証皆無の事
件の立証評価なのだろうか――。法曹関係者の多くが首をひねる「疑惑の判断」
が示された。

3月6日、名古屋高裁が示した再審請求異議申立審決定である。

1986年に起きた福井市の女子中学生(当時15歳)殺害事件をめぐり殺人罪で懲
役7年の実刑が確定し、服役した元受刑者(47歳)の訴えを名古屋高裁金沢支部
が認めて再審開始を決定したことに対する検察側の異議申立審。

名古屋高裁は検察の主張を認め、金沢支部の再審決定を取り消した。

いったん開始を宣言した再審決定が覆され、取り消されるのは決して異例では
ない。

しかし、今回の名古屋高裁の取り消し決定に至る「判断回路」は異例だ。とい
うより、目を疑うような旧来型判断というべきだ。

検察の立証を丸飲みしているのである。この時勢に、ここまで思考停止を露わ
にした裁判体の存在は異様である。

再審可否の判断は一点。この事件では犯行につながる目撃証言や直接物証がな
く、犯人性を物語る情報が皆無であった。

その中で元受刑者が捜査線上に浮上した理由は、知人である男性の証言である。

曰く「(元受刑者は)事件があった夜に血の付いた服を着て現れ、『女の子を
殺した』と言ったので、アパートにかくまった」「(元受刑者が)逃走用に使
った乗用車のシートに血が付いていた」――。

この証言が信用できるか、否か、である。

2011年11月に再審開始を決定した高裁金沢支部は「信用できない」と断じた。

1)知人は元暴力団員であり、元受刑者の関与を供述したのは、覚醒剤事件で自
分が逮捕・拘留されていた時。半年間にわたって拘留されていたが、なぜか突
然、自分とは関係のない女子中学生殺害事件についての供述を開始し、しかも
この供述の3日後に釈放された。取調官との間で、「釈放」という利益供与を媒
介に供述が引き出された可能性が推認できる。

2)供述は極めて不自然な変遷をたどっている。供述を引き出した取調官は元暴
力団員の中学の先輩であり、濃厚な人間関係の下で誘導的な調べがなされた可
能性がある。

3)問題の逃走車両から血液反応が全く出ないのは、元受刑者の犯行を示す根拠
として不自然。

金沢支部は直接・間接的にこう判示し、『疑わしきは被告人の利益に』との鉄
則に則り元暴力団員証言の信用性を否定、再審開始を決定した。極めて自然で
合理的な判断の流れといえよう。

これに対し名古屋高裁決定は不可解極まりない。

さしたる根拠も示さず元暴力団員の証言を「いずれも信用できる」と受け入れ、
検察のオウム返しの如く、金沢支部が「新証拠」と認めた判断を全て覆した。

弁護側が再現実験に基づき「車内を清掃しても血液反応は出る」と訴えたのに
対し、「拭き取りの回数や日光の影響など、再現実験の前提条件が異なってい
た可能性があり、汲むべき事情はない」と述べたのに至っては、もはや「弁護
側主張を否定するための否定」と言っていい頑なさだ。

検事出身の弁護士でさえ、「検察捜査にまだ疑義が唱えられていない時代の雛
形のような有罪判断だ」と驚くほどの古典的な判決なのである。

あからさまともいえる検察追随判決に、法曹関係者からは裁判長である志田洋
判事の個人的特性を挙げる向きもある。

「刑事裁判の長い裁判官で、名古屋高裁には2010年から赴任しているが、『ヒ
ラメ』とも言われている。上ばかり見ている、との評があるのです。志田裁判
長はどうしても元受刑者の再審決定を阻みたい理由があったのではないか」
(関係者)

昨年の東電OL殺害事件の再審無罪判決に象徴されるように、日本の刑事裁判は
“再審ラッシュ”と言えるような総崩れ状態だ。

裁判員制度の影響が大きく、「証拠の可視化」「有罪立証の可視化」が再審の
分野にも及んでいる。

だが、裁判所にとっては再審ラッシュとは由々しき事態。「3審で完結する刑事
裁判の信頼性を貶める」(刑事裁判官)と再審は避けたいのが裁判所の本音だ
ろうが、今回の名古屋高裁決定は、あまりに刑事裁判の鉄則から逸脱している
のではないか。

大阪で起きた母子殺害事件で最高裁は2010年、間接証拠によって有罪認定する
ための新基準をこう判示し、2審の死刑判決を破棄した。

「被告人が犯人でないとしたら説明のつかない事実が間接証拠に含まれる必要
がある」

再審開始を取り消した名古屋高裁判断は、何が《元受刑者が犯人でないとした
ら説明のつかない事実》と見立てたのであろうか。想像がつかない。腑に落ち
ない「再審取り消し=有罪決定」である。


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 ご連絡先:ナナ総合コミュニケーション研究所
 社内誌企画コンペティション事務局
 富加見(ふかみ)まで
 TEL:03-5312-7471・
 E-Mail:fukami@nana-cc.com

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 週刊メールジャーナル 2013年3月27日  第677号(水曜日発行)
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