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■Weekly Mail Journal■2013/3/20 No.676

■Weekly Mail Journal■2013/3/20 No.676

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  2013/3/20   No.676   週刊メールジャーナル   読者数9729(前回)
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●「米国の代弁者」という立場を貫く竹中平蔵・産業競争力会議民間議員を監
視せよ!(会員制経済情報誌『現代産業情報』3月15日号より転載)

竹中平蔵氏が政府に戻ってきた。

まだ、安倍晋三政権の成長戦略を話し合う場である産業競争力会議の民間議員
に過ぎないが、竹中氏の卓越した説明能力と会議を仕切るディベート術を思え
ば、産業競争力会議は竹中氏の望む方向に向かうし、やがては「入閣」など政
府の要職を狙うに違いない。

竹中氏は、官僚出身の学者で、現在の肩書は慶応大学教授である。だが、経済
学者としての竹中氏を評価する人は、学会にはほとんどいない。また、優れた
論文を書いたという評価もない。

やはり竹中氏が最も輝いたのは、小泉純一郎政権で金融相、経済担当相、総務
相などを歴任した時だろう。

経済理論的には米国型資本主義の代弁者。優勝劣敗、適者生存をこの人ほど愚
直に貫いた政治家はおらず、結果、日本に“普及”したのは、中間層脱落後の
二極化の伸展である。

新自由主義、市場中心主義が行き渡り、終身雇用、年功序列といった労働慣行
は過去のものとなり、福利厚生など“余分”なものは切り捨てられ、成長して
利益を出す者だけが認められ、高収入を保証された。

「竹中改革」の結果、当然、落ちこぼれは出てくるが、それはセーフティネッ
トで支えればいいという発想だった。

もちろん竹中氏一人の力で企業社会、労働環境、日本型システムが変わったわ
けではない。

グローバル化の進展と、それを根付かせ価値を共有させるIT社会の到来は、シ
ステム戦争に勝利した米国流資本主義の浸透を日本だけでなく各国にもたらし
た。

竹中氏が金融経済運営を委ねられていなくとも、早晩、日本は同じ道を辿った
はずだ。ただ、竹中氏の場合、そこに日本の国民性に合った改革、国益を守る
システムの確保など、「日本を守る政治家としての視線」がなかった。

そこは、節税のために住民票を日米でひんぱんに入れ替えるコスモポリタン的
人柄ゆえだし、政治家としての欠落部分である。

功罪でいえば、明らかに「罪」の方が多い竹中氏を産業競争力会議に入れたの
は安倍首相であり、そこには「米国流」を好み、その支配下に置かれるのを、
むしろ「良し」とする安倍首相の性向である。

つまり2人は、似通っている。それだけに野心家の竹中氏は、「米国の代弁者」
としての立場をさらに生かし、「米国流社会」を実現するために、安倍首相に
食い込み、中途半端な「民間議員」よりワンランク上のポストを狙うだろう。

それが、国民にとって望ましくないのは、前回の“実績”が証明する。一部の
勝者が富を独占、万人の幸福度を上げられないような政治が、良い政治である
ハズがない。

しかし、本人はやる気満々だ。

「政官財の抵抗勢力に宣戦布告 本丸は規制緩和」というタイトルの『文藝春
秋』(4月号)三木谷浩史楽天社長との対談の中で、竹中氏は「日本をぶち壊す」
と宣言する。

そして既存の経済界に飽きたらず、新経済連盟を立ち上げ、自ら代表理事に就
任した三木谷氏とは、危ない意見の一致をみている。

竹中:労働市場にも、健全な競争がないわけです。日本の正社員は世界で最も
守られていますが、これは、1979年に東京高裁が出した特異な判例があるため
です。

三木谷:一度雇用されれば、正社員というだけでどんなにパフォーマンスが悪
くても、怠慢でも、一生賃金が得られる。これはどう考えてもおかしい。労働
者もプロとして、フェアな競争に晒されるべきだと思います。

2人の意識は常に“高み”にあり、究極の所「数字がすべて」であり、それに捨
象される人間への配慮がない。

それは怖いことだが、それを招来させた竹中氏は、一片の反省もなく、さらに
国民を市場に駆り立てると同時に、自らはさらなる地位を欲する。

安倍首相は、2度目の政権運営に自信があったのか閣僚を軽量級にした。今の安
倍内閣で、官僚を押さえ、意のままに操り、野党とのパイプを持つ有力政治家
は、麻生太郎副総裁兼財務相と菅義偉官房長官しかいない。

幸い、麻生副総理は、小泉政権の頃から竹中氏が嫌いで、それを隠さない。竹
中氏が有力ポジションを狙って猟官運動を開始した時は、麻生副総理が安倍氏
を説得、体を張ってでも阻止すべきだろう。



●サーベラスの“代理人”として西武HDに乗り込む五味廣文元金融庁長官の役
割(転載同前)

世界有数の投資会社である米サーベラスが“迷走”している。

3月11日、西武ホールディングス(西武HD)に株式公開買い付け(TOB)をかけ
ると発表したのだが、その真意がよく見えない。

西武鉄道やプリンスホテルを傘下に治める西武HDと、同社の筆頭株主であるサ
ーベラスが上場をめぐって激しく争っているのは、昨年来、月刊誌や週刊誌報
道によって明らかとなっている。

簡単に言えば、約1000億円を投じているサーベラスが、上場価格を高く設定さ
せ、売り抜けて出来るだけ多くを回収しようと、後藤高志西武HD社長に厳しく
迫るのだが、

鉄道路線の切捨てや西武ライオンズの売却といった提案が、西武HDの企業価値
向上には役立たないとして後藤氏らが反発、それにじれたサーベラスが、西武
HDの設立(2005年)以来、西武経営陣ともめている堤家と結託、後藤体制を揺
さぶっている、という構図だった。

サーベラスは、回収にシビアなことで知られるファンドである。

創業家の堤義明氏が、証券市場のルールを無視した経営で西部鉄道が上場廃止
となり、事実上、破綻状態に陥った時、サーベラスはメーンバンクのみずほコ
ーポレート銀行(みずほCB)に請われて1000億円を投じ、32%超の筆頭株主と
なったという事実もあり、厳しい要求を突きつけるのも当然だった。

しかし誤算は、「後藤バッシング」が、あまりに激し過ぎたために、かえって
後藤氏が“同情”を買い、しかもサーベラスの採算性重視の“思惑”が露骨で、
鉄道事業や西武HDステークホルダーの賛同を得られなかった。

もちろんサーベラスの提案が、西武HDの企業価値を向上させるものであればい
いが、鉄道の持つ公共性や公益性も採算性の前に切り捨てられた印象で、自治
体や住民は反発、西武ライオンズファンも反対の声をあげた。

今回のTOBの真意が良く見えないのは、そうしたこれまでの株の力にモノを言わ
せた“ゴリ押し”の印象を薄め、友好を装っているからだ。

しかし、どんなにソフトな文言にしたところで、役員会の反対を押し切ってTOB
をかけるのだから「敵対的TOB」である。

それに3人の大物を役員に送り込むことを公言しているが、そのうち元金融庁長
官の五味廣文プライスウオーターハウスクーパース総合研究所理事長は。「社
長含み」と言われている。

投資ファンドが回収の最大化を図るのは、「投資家への還元」が使命なので当
然である。

「ハゲタカ」という蔑称を贈るマスコミは少なくないが、ハゲタカが彼らの本
質だ。批判されるべきは、その手先となって名前を利用される“大物”ではな
いか。

今回はもちろん五味氏である。

初代金融庁長官である五味氏は、現役の時からシビアな資本主義、外資の発想
の根底にある市場中心主義を好んだ。

竹中平蔵、伊藤達也、与謝野馨という3人の金融相に仕えたが、最も仕事をした
のは竹中時代で、横並びの護送船団行政を止め、自由度を与える代わりに厳し
く金融機関を監視した。

その竹中氏との“蜜月”の行き過ぎが、金融庁顧問となっていた木村剛氏との
付き合いで、木村氏が自らプレーヤーになろうと日本振興銀行を設立、その認
可のスピードがとりわけ速かったのは、木村氏の創刊した経済誌に、長官時代、
何度も登場するなど五味氏と木村氏との親し過ぎる関係が原因ではなかったか、
として批判された。

五味氏が木村氏を優遇したかどうかはともかく、五味氏は木村氏のような「暴
れん坊タイプ」が好きなのである。

象徴するように、07年7月の長官退任から半年後、ジパングの顧問となり、8年6
月、社外取締役に就任、市場関係者をアッと言わせた。

というのも、同社は、「金山開発の夢を売る会社」として、胡散臭く見られて
いたからからだ。

さすがに一昨年、ジパングの役員は退任したものの、今度は西武HDの社長候補
である。

企業経営の経験のない役人OBを社長にして、西武HDの企業価値が上がるとは思
えず、サーベラスの狙いは、「後藤体制を支える、みずほCBを牽制すること」
という見方もある。

そんな見え透いた戦略に乗ったのが事実だとしたら、五味氏は末節を汚すこと
になるだろう。


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 ご連絡先:ナナ総合コミュニケーション研究所
 社内誌企画コンペティション事務局
 富加見(ふかみ)まで
 TEL:03-5312-7471・
 E-Mail:fukami@nana-cc.com

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 週刊メールジャーナル 2013年3月20日  第676号(水曜日発行)
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