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□■まぶちすみおの「不易塾」日記□■13年3月16日第1732号□■四年ぶりの野党質疑

□■まぶちすみおの「不易塾」日記□■13年3月16日第1732号□■四年ぶりの野党質疑

■□     まぶちすみおの「不易塾」日記     □■
□■2013年(平成25年)3月16日 第1732号■□
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□■四年ぶりの野党質疑

 平成25年度総予算審議の進行と並行して各委員会で大臣所信
聴取が一斉に行われだした。
そして昨日、所属する経済産業委員会で大臣所信に関する一般
質疑。近藤洋介理事と共に質疑に立った。

 野党議員としての質疑は4年前の予算委員会以来だ。
なんとなく、野党質疑に対して懐かしさもある一方で、与党を
経験した立場として、若干違和感も残る、自民党議員大臣に対
する質疑。

40分という時間で選択したテーマは、「福島第一原発事故収束」。

茂木大臣の所信では、エネルギー安定供給、エネルギー改革、
再生可能エネルギー、原発再稼働、廃炉の加速化の研究開発支
援や東電の賠償実施などについては述べられているが、事故収
束については一切言及されていない。唯一、関わりあるものと
してあるのは廃炉加速化の研究開発支援だけ。
果たして、事故収束に全力を挙げるという大臣の認識はあるの
か?
素朴な疑問からの質疑だった。

率直な問いとして、原発事故収束が大臣所信に入っていなかっ
たのはなぜか。また、原発事故収束についての現状認識と課題、
日程感について、どのようなお考えをお持ちなのかを問うたの
だが、これまた、隔靴掻痒、要を得ない。
いわく、何をもって収束と称するのか、所管も分割されていて
内閣として総合的に取り組む、との答弁。

うーん、やはり、意識としては低いのか。

僕は自らが発災後二週間を経て、事故対応の総理補佐官を任ぜ
られた経験もあり、今もって漏れ出ている放射性物質の汚染拡
大防止に対しては大きな問題意識をもって臨んできた。もちろ
ん、茂木大臣におかれては、放射性物質拡散防止について一昨
年12月の原発事故収束宣言の前後で行政上の所管部署が変わっ
たこともあり、政権交代後に引き継いだとしても担当としての
意識が低いのかもしれないが、原発事故収束担当大臣を置いて
いない安倍内閣において、明確に事故収束の担当所管である。

大いに疑問を感じながら、僕自身が最も懸念している海洋汚染
について詳細の質問を行った。

今年の2月20日の原子力規制委員会発表の資料によれば、福島
第一原子力発電所近傍及び周辺の海水のセシウム134、137の数
値は、いずれも濃度限度を下回っている。

しかし、一方で2月17日、福島第一原発の専用港で採取したア
イナメから1キロあたり51万ベクレル/リットルの放射性セシ
ウムが検出された。これは、国の食品基準値の5100倍である。

東京電力は昨年の11月26日の「高セシウム濃度アイナメ採取に
係る追加調査結果と今後の対応について」という報告書で、事
故時の高濃度汚染による影響が魚に残っているとして、高濃度
汚染の魚類については、「計算上は説明が可能」と記している。

つまり、事故当時の汚染を受けた魚が、今、たまたま捕れたと
いう言い分だ。
しかし、この報告書での「原因の推定」発災当時の汚染度が10
万ベクレルに達しているだろうとして、その後去年の8月に捕
れたアイナメが2万5500ベクレルだったことに対して生態学的
半減期から先の「計算上は説明が可能」としている。

これで、先月の51万ベクレルをどう、「説明可能」と言うのだ
ろうか。

到底、発災直後の高濃度汚染の魚が捕れたなどという戯言はも
はや通じない。

ハッキリしている、と思っている。

そう、現在も汚染は続いているということだ。

現に、福島第一原発港湾内の直近の3月13日採取のシルトフェ
ンス内側の海水放射能濃度は原子炉等規制法の線量告示におけ
る濃度限度と比較してセシウム134、137でそれぞれ1.1倍、1.2
倍だ。
二年も経過しているにもかかわらず、閉じられていない港湾の
中での放射能濃度が限度をいまだもって超えており、しかもこ
の二年間、変わっていないことの意味は何か?

漏れ続けているのである。

そして、その経路は原子炉建屋内に現在も流れ込んでいる一日
400tの地下水が汚染滞留水と混ざり港湾内に流れていと考え
るのが普通ではないか。

偶然にも、この指摘を同日のNHKの報道でも取り上げられたい
た。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130315/k10013213841000.html

これはまさに、二年前の総理補佐官当時、浸透流解析を東電に
命じ、その結果をもって海洋汚染の可能性を指摘し地下遮水壁
の構築を行うことを強く主張してきた立場からは、看過できな
い。

残念ながら、自身の補佐官更迭以降はこの地下遮水壁構築もム
ラの力によって、うやむやにされてしまった経緯もあり、当時
の民主党政権の責も当然ながら問われるものでもあるが、政権
交代した自民党政権においても曖昧にされるのであれば、指摘
していかねばならない。

海洋汚染を放置するわけにはいかない。
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