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■Weekly Mail Journal■2013/3/13 No.675

■Weekly Mail Journal■2013/3/13 No.675

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  2013/3/13   No.675   週刊メールジャーナル   読者数9740(前回)
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●財界事務方が「トヨタ」に期待をかける“理由”
(会員制経済情報誌『現代産業情報』3月1日号より転載)

財界団体事務方から「トヨタ待望論」の空気が強まっている。

アベノミクスの期待感で急速に進んだ円安株高で持ち直したトヨタの「人」と
「カネ」に、財界事務方の視線は向いているらしい。

トヨタはこのほど張富士夫会長が相談役に退き、後任会長に内山田竹志副会長
が昇格する人事を内定。6月の株主総会で正式決定する。

その内山田氏は日本経団連副会長に就任することが内定した。これまでトヨタ
からは相談役の渡辺捷昭氏が経団連副会長に出ていたが、渡辺氏がこの6月で2
期4年の満期を迎えるのを受け、内山田氏が引き継ぐ人事をトヨタも実施したと
いうことだ。

1946年生まれの内山田氏は名古屋大を卒業後、トヨタ自動車工業(当時)に入
社。技術畑を中心に歩み、現在のトヨタの稼ぎ頭である『プリウス』の生みの
親である。

ジャーナリストは「内山田氏は豊田章一郎名誉会長からも信頼が厚く、早くか
らトヨタの経団連輩出候補として『渡辺さんの後は内山田さん』と目されてい
た」と明かす。

トヨタはこれまで豊田氏と奥田碩氏(現国際協力銀行総裁)の2人を経団連会長
に送り出しており、その財界活動には実績がある。

ところが昨年末の超円高で業績が急降下。加えてリコール問題が相次いだこと
や、中国での不買運動も響いて、「とても財界活動どころではない」(トヨタ
幹部)という事態が続いていた。

これがアベノミクス魔術によって円安株高が急進行し、トヨタの苦しい業績は
一気に回復基調に。

1月下旬には2年ぶりに世界の自動車販売で首位を奪還、今年の春の労使交渉で
は一時金(ボーナス)が5年ぶりに「組合員平均200万円」の大台を回復する見
通しとなっている。

経団連をはじめとする財界団体を運営する事務方のトヨタへの“想い”は募る
ばかりだ。

関係者が語る。

「この20年を見ますと、経団連に会長を輩出し続けた企業というのは新日鉄、
東京電力、トヨタの3社になります。この御三家のうち、東電は原発事故の対応
から経営破綻しており、財界活動から撤退しました。

新日鉄も昨年の秋に住友金属との統合が始まったばかりで、対外活動に目をや
る余裕がありません。

しかもトヨタ出身の奥田碩会長の後に続いた会長の『キャノン』『住友化学』
という会長会社の評判が芳しくない。

御手洗冨士夫、米倉弘昌という両トップの“器”にも問題はあるが、最大のネ
ックは両氏ともに社業を兼務していること。

経団連会長としての海外出張は、自社プロジェクト遂行が目的なのではないか
という疑念が出るようなケースが少なくない。

そんな状況では、以前の財界トップのような『圧倒的な存在感』など望むべく
もありません」

こうした状況が、財界事務局のトヨタ待望論を誘発しているらしい。潤沢な人
材、資金力の期待は膨らむ一方らしい。

「気の早い勢力は内山田副会長の後に、現在は自工会(自動車工業会)会長を
務めている豊田章男社長が経団連副会長に就任し、『やがてトヨタから3人目の
経団連会長に就任するのではないか』という観測すら出始めています」(関係
者)

浮かれるのもいい。ただ、「アベノミクスの実態にマーケットが気付き、一斉
に手のひらを返すまでのこと」という冷徹な現実認識が欲しい。

そのうえで事務方はこういうときにこそ、財界の存在感を示す戦略を練るべき
であろう。ただ浮かれるだけの姿は軽薄そのものである。



●感情司法の元凶『強制起訴』を廃止方向で見直すべきだ!
(転載同前)

兵庫県明石市の歩道橋で12年前、花火大会の見物客が混雑し過ぎて将棋倒しに
なり、幼児を含む11人が死亡する大惨事となった。

この事故で業務上過失致死傷罪に問われ、強制起訴された元兵庫県警明石署副
所長に対し、神戸地裁は「過失はなく、時効が成立している」として、裁判を
打ち切る免訴判決を宣告した。

事実上の無罪判決である。現場にいなかった警察幹部に事故の「刑事責任」ま
で問うのは現行の刑事司法の枠組みの中では難しい。

地裁判決は妥当判断といえよう。

“市民”で構成する検察審査会が強制起訴した裁判で、今回も再び制度の課題
が浮かび上がる司法判断が出たという結果になった。

4年前、司法改革の一環で導入された強制起訴制度。正確に言えば「検審(検察
審査会)改革」である。

検察が独占していた起訴権限に民意を反映させるのが目的だ。

検察が不起訴にしたものについて検審が「起訴相当決議」を2度出せば、強制的
に起訴される仕組みに改変された。

長く日本の刑事司法の中核であった検察起訴独占主義を崩す改変である。

だが、実際に始まってみると、その運用は無残の一言に尽きる。

これまでに判決が出た例をみると、沖縄の詐欺事件では「詐欺罪に該当しない」
との判断が示され、小沢一郎・生活の党代表の政治資金規正法違反事件では1、
2審ともに「無罪」とされ、これが確定した。

初めて有罪判決が出た徳島の暴行事件も、その判決の中身は罰金より軽い「科
料9000円」。

司法が言っていた「健全な市民感覚」を発揮するような事件なのか、著しく疑
問である。

明石事故の強制起訴は、制度発足後、全国で初めての「民意起訴」である。

その議決書には「検察捜査とは異なる立場で、法廷で真相を明らかにする」と
の趣旨の理由が記載された。

この“論調”は他の検審の決断にも流用され、起訴議決の言い訳のように使わ
れている感がある。

「有無罪の判定に限定されず、真相解明を主眼に置く」。耳に聞こえはいい。
だが、刑事裁判はあくまで被告人の刑事責任を明らかにする場であることを忘
れてはなるまい。

また、強制起訴の導入は、有罪率99%の精緻さを誇る検察の起訴との「二重基
準」が並存していることになる。

同じ行為をしても『起訴される者』と『されない者』という不公平が生じるこ
とになる。それでいのか。

“民意の起訴”により、長期間裁判の対応を迫られる被告の負担は大きい。

結局免訴となった元明石署副所長はストレスと心労で体調を崩し、仕事を続け
られない体になったという。

通常起訴なら国家賠償を求める手立てがある。しかし、誰によって起訴された
のか分からない検審の強制起訴の瑕疵を認めさせるには、被告とされた者はど
うすればいいのか。補償の仕組みができていない。

「検察の独善を防ぐ」という理念は理解できる。だが、設計に無理があると言
わざるを得ない。

昨年、当時の法相が制度見直しの意向を表明したが、その後の具体的な動きは
ない。

法律面で専門的なアドバイスを検審に行なえる体制を強め、審査する対象を明
確にするなど、信頼される強制起訴制度に向けた見直し作業を政府は一刻も早
く始めるべきだ。

明石事故の強制起訴がなされたとき、弊誌は「日本の刑事司法が精密司法から
感情司法にねじ曲がる」と予測した。事態はその通りに進んでいるのである。


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 ご連絡先:ナナ総合コミュニケーション研究所
 社内誌企画コンペティション事務局
 富加見(ふかみ)まで
 TEL:03-5312-7471・
 E-Mail:fukami@nana-cc.com

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 週刊メールジャーナル 2013年3月13日  第675号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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