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【出たっきり邦人 欧州編】1169 ドイツ

【出たっきり邦人 欧州編】1169 ドイツ

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■□■□■   出たっきり邦人・欧州編・2013・3・5・1169     ■□■□■
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             ◇◆乙編◇◆
             

         〓ドイツ・デュッセルドルフ発〓


         <ビールだけがドイツじゃない?>


           第48回 皆さん仲良く…


皆さんこんにちは。3月になり春らしさが増す今日この頃です。欧州の冬
は長く暗く、11月から1月末にかけては本当に暗黒の時代です。それを過
ぎると少しずつ明るくなり、今は夜の6時を過ぎてやっと暗くなる、そん
な感じです。


さて今回の話題ですが、2月中旬に突如として明るみになったEUでの馬
肉混入騒ぎ(簡単に言いますと、欧州の多くの国で販売されているとある
冷凍食品の表示は「牛肉」となっているのに、実際には馬肉が入っていた
という偽装事件)、今では欧州議会で取り上げられるほどの大きなテーマ
となってしまいました。ピーク時のメディアでの取り上げられ方は経済危
機に揺れている南欧のニュースより大きい、ある意味ヨーロッパを襲う次
の荒波のような感じです。


そしてニュースが大きくなるにつれて店頭に並べられている冷凍食品は撤
去・廃棄されているのですが、本当にもったいないの一言です(そもそも
馬の肉全てが悪い訳ではなく、表示が馬肉と書かれていればこれほどの問
題にはならなかったはず)。もし世の中に食べるものがなければ小生喜ん
で食べますよ!


どうしてこんなことが起こるのか?ヨーロッパは世界で一番食品管理基準
が厳しいと聞きました(そう世間一般では言われています)。しかし同時
にヨーロッパ(特にヨーロッパの先進国)の人々はかなりぜいたくな生活、
そして便利な生活に慣れてしまいました。この一例が冷凍食品という便利
な食品なのです。ある時ドイツの隣国のスーパーに行った時に冷凍食品や
カット野菜の多さにびっくり。


その国に住む友人曰く「ここではこういう食文化なのよ」と。でもあまり
にも便利すぎる…。


そしてドイツも同様に、スーパーには物が溢れ過ぎています。6年前に小
生がドイツにやってきた時はまだここまで物が多いと感じることはありま
せんでしたが、ここ数年で「大量購入・大量消費」の文化が(残念ながら)
浸透してしまったようです。余った物・商品はどうなるのか、時々考えさ
せられます。


すみません、話を元に戻します。どうしてこんな馬肉騒動が発生してしま
うのかを話していましたね。


小生思うに、我々消費者が質の良い物を大量に、そして安価に求めすぎだ
から、と。それを実現させようと販売者は生産者に圧力をかけ、生産者は
要望に応えようと安い馬肉を混入せざるを得なかった・・・。要は我々消
費者が求めすぎだから、という一点に尽きます。


安い商品もいいのですが、やはり物にはそれなりの価値があるはずですよ
ね。今回対象となった冷凍食品がいくらで売られていたかは知りませんが、
やはりそれなりの値段がしてしかるべきです。


そして馬肉騒動が治まらないうちについ最近、ドイツ国内で新たに2件食
に関する騒動が発生しました。一つは卵、もう一つは家畜の餌です。


ドイツには「BIO(ビオ)卵」と「普通の卵」が販売されています。この違
いは養鶏が快適な環境(一羽あたりが占有できる面積がある一定以上など
の諸条件)で飼われているか否かの違いなのですが、当然値段はBIO卵の
ほうが約2倍くらい高めに設定されています。しかし最近の調査でBIOと
して販売されている卵が基準を満たしていない、という公的機関の検査結
果が出ました。そもそも小生も相方もこのBIO(BIOには卵だけでなく野菜
もあります)には全く興味がなかったので影響はありませんが、馬肉に続
き卵までも偽装の対象に・・・。


家畜の餌についてですが、こちらは偽装ではありませんが、ドイツのとあ
る州で使用されている餌の中に、あるバクテリア(糸状菌)が基準以上に
大量に入っていることが判明。報道によると今のところ人体に影響はない
とは言われていますが、恐らく報道内容がコントロールされているのでは?
と勘ぐってしまいます。


馬肉の偽装、偽装BIO卵、そして過剰なバクテリア混入・・・。ヨーロッ
パと言うある一定のステータス(地位)を信じていたので、非常に残念で
す。ヨーロッパってこんなもんだったのでしょうか?


そしてこれらの騒動は欧州連合の仲を微妙にさせます。


馬肉の偽装について、購入したEUの国が生産したと思われるEUの国を
名指しで非難し、非難された国が意義を唱えるなど、EU内での亀裂に繋
がりかねないような事態になっています。また、バクテリアの混入されて
いた餌は、EUではありませんがとあるバルカン半島の国で生産された、
との報道も。こちらはまだ国同士の言い合いにはなっていませんが、もし
かしたらこちらも火種に・・・?


小生の勝手なイメージですが、EU・ヨーロッパって(日本で言う)町内
会のようなイメージでして、お互いが助け合って成り立っているのです。
例えばドイツはイタリアやスペインなどの南欧の国がないと潰れてしまい
ます(本当です)。だって南欧から届くカラフルな野菜がないとドイツ人
の食卓はパン・ジャガイモとビールだけになってしまい、栄養失調になっ
てしまうこと間違いありません。さらにドイツ人の多くは夏のバカンスに
南欧を選びます。南欧がなければ太陽のないこのドイツではカルシウム不
足で死んでしまいます!逆に経済的に余裕のない南欧の国へは町内会(EU)
経由でドイツのお金が回されます。これで持ちつ持たれつの関係が成り立
っています。


他の例としては、ドイツの物価が他のEUより安いのは東欧の人々のお陰
だと思うんです。何故か?東欧の人々がドイツで安い労働力として働いて
くれるから-もし東欧の人達が働かなければもっとドイツの物価は高いの
では?と思います。


逆に東欧には港がないのですが、ドイツにあるハンブルグという港を東欧
の国々が使うことで彼らにも海外からの物資が届きやすくなる、こんなと
ころでも持ちつ持たれつの関係が成り立っています。


話を元に戻します。


お互い近所(隣国)同士いろいろと利害関係があるかと思いますが、まず
は妥協点を見つけてギスギスすることなく過ごした方がいいと思うのです。
ですので今回の馬肉騒動やその後のバクテリア混入の件でも、国同士が非
難しあうのではなく、原因・対策を感情を入れずに作るべきです。そうで
ないと最悪の場合、過去2回の過ち(第一次・第二次世界大戦)の繰り返
しになってしまう・・・。


戦争の発端が馬肉騒動からの言い合いなんてことになったら、それこそバカ
らしいですよね。


さて今回の件を踏まえて、小生にできることを考えてみました。


まずは相方の手料理に感謝すること(ありがたいことに相方は冷凍食品は一
切使用せず、必ず手料理です)。そしてあまりにも安い物を追求し過ぎない
ことでしょうか。


世の中少し行き過ぎですよね。あまり欲しがらず今ある物で満足し、もっと
シンプルに行き(生き)ましょうよ!


Pride Berliner


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◇◆次回は3月12日(火)イタリア/ベネチアからの配信予定です◇◆
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発行協力 :まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行責任者:欧州編ライター一同 連絡先:oushuhen@hotmail.com